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知らないと損をする!賃貸物件の仲介手数料の上限額はいくら?

01-10-2020

一般的に「賃貸契約時の仲介手数料は家賃1カ月分」といわれていますが、相場や上限はあるのでしょうか。引っ越しにはお金がかかるため、仲介手数料はなるべく安いほうがよいと考える人も多いでしょう。この記事では、賃貸物件を契約する際の仲介手数料について詳しく説明します。言われるがままに契約して損をしないためにも、しっかり確認しておきましょう。

そもそも仲介手数料とは?

仲介手数料とは、不動産の仲介業務に対して支払う手数料のことです。不動産会社を介して賃貸物件を借りる際、不動産会社側にはさまざまな作業が発生します。この作業に対する報酬が仲介手数料です。仲介手数料には、別途消費税がかかります。仲介手数料は成功報酬とされているため、最終的に契約をしなかった場合には支払う必要はありません。

仲介手数料に含まれる費用

仲介手数料には、一般的な仲介業務にかかるすべての費用が含まれます。賃貸物件を探す際、不動産会社に希望の条件を伝えて、その条件に合う部屋を探してもらったことのある人も多いのではないでしょうか。不動産会社は、希望を聞いて条件に合う部屋を探したり、家賃などについて家主と交渉したりします。契約時には必要書類を用意したり、契約内容について説明したりすることも必要です。仲介手数料には、これらの業務にかかる人件費が含まれています。また、現地案内のための交通費などもこれに含まれます。

仲介手数料に含まれない費用

仲介手数料には含まれない費用もあります。それは、仲介業務において依頼者の依頼で特別な費用が発生した場合の費用です。この場合、実費のみ依頼者に別途請求できるようになっています。たとえば、依頼者の希望で遠隔地から書類を取り寄せた、依頼者の希望で特別な広告宣伝を行った、などです。これらの場合は、実際にかかった費用のみ仲介手数料とは別に、依頼主に請求できます。

仲介手数料は誰が決める?

仲介手数料は、不動産会社ごとに金額を決めているのではなく、法律で決められています。宅地建物取引業法の第46条に、「報酬の額は国土交通大臣の定めるところによる」と記載されているのです。また、国土交通省の定めにより、「賃借の媒介に関する報酬の額」として、仲介手数料の上限が決められています。この上限を上回る仲介手数料は原則として請求できないということを覚えておくと、賃貸契約を行うときに役立つでしょう。

賃貸契約での仲介手数料の上限額とは?

先述のとおり、請求できる仲介手数料の上限は決まっています。ここでは、法律によって定められた賃貸契約において発生する仲介手数料の上限について、詳しく説明します。

居住用物件の場合

マンションやアパートなど居住用物件の場合、貸主借主の双方から受け取れる報酬の合計額は、家賃1カ月分に消費税を加えた額が上限とされています。原則は貸主借主それぞれから家賃0.5カ月分+消費税が上限ですが、承諾を得た場合はこれに限らないとされていることに注意が必要です。借主の支払う仲介手数料の上限が家賃0.5か月分とされていることを知らない人が多いため、契約時の説明で「上限以上の額の支払いを借主が承諾した」とされることが多くなっています。そのため、家賃1カ月分+消費税の額を、借主が仲介手数料として支払うケースが多いのです。

非居住用物件の場合

店舗や事務所など非居住用物件の場合、不動産会社が貸主借主の双方から受け取れる報酬の合計額は、居住用物件と同様に家賃1カ月分+消費税が上限額とされています。ただし、賃貸契約にかかる仲介手数料とは別に手数料が発生する場合もあるため、注意が必要です。たとえば、居ぬき物件を借りるときに、内装造作や厨房機器の譲渡などにかかる権利金の授受が発生する場合です。この場合、譲渡契約に別途仲介手数料が発生します。譲渡契約の仲介手数料の上限は、売買の仲介手数料の上限と同じです。売買の仲介手数料の上限は、以下のように金額区分によって計算された合計に、消費税を加算した額となっています。

売買にかかる代金のうち200万円以下の部分:価格×5%
売買にかかる代金のうち200万円を超え400万円以下の部分:価格×4%
売買にかかる代金のうち400万円を超える部分:価格×3%

たとえば、売買にかかる代金が500万円の場合の仲介手数料を計算してみましょう。まず、500万円のうち200万円以下の部分は200万円です。これに5%がかかると10万円になります。次に、200万円を超え400万円以下の部分は200万円です。これに4%がかかると8万円になります。最後に、400万円を超える部分は100万円です。これに3%がかかると3万円になります。それぞれの金額にかかる手数料を合計すると10+8+3=21となり、21万円に消費税を加算した額が仲介手数料という計算になります。

駐車場の場合

駐車場を借りる場合の仲介手数料は、宅地建物取引業法の対象外のため、明確な上限は定められていません。しかし、多くの場合で賃料1カ月分+消費税とされています。車を所有している人は、居住と一緒に駐車場の契約も必要でしょう。たとえば、敷地内に駐車場のある賃貸物件で、居住と駐車場をそれぞれ契約する場合は、仲介手数料もそれぞれに発生します。

仲介手数料を安くしてもらうことは可能?

家賃0.5カ月分より高い仲介手数料は、借主が承諾しなければ請求することはできません。また、金額の上限は定められていますが、下限は定められていません。そのため、仲介手数料の値引き交渉をすることも可能です。しかし、仲介手数料は不動産会社の利益に直結するため、値引き交渉がうまくいかなかったり、そもそも値引き交渉をするのは気が引けたりすることもあるでしょう。そんなときは、家賃の値引き交渉をしてみてはいかがでしょうか。

家賃の値引き交渉の方法とは

家賃の値引きは、結果として仲介手数料の値引きにもつながります。仲介手数料は家賃をもとに計算するため、家賃が値下げされれば仲介手数料も下がるのです。家賃の値下げ交渉など簡単にできないのでは、と思う人もいるかもしれません。しかし、値下げ交渉に応じてくれる家主は意外と多いのです。1~3月は物件を探している人が多いため、値引き交渉は難しいと考えられますが、その時期を避ければ交渉は十分可能でしょう。特に、閑散期や、なかなか借り手がつかない場合などは、値引き交渉に成功する確率が高まります。また、具体的に「2000円値下げしてくれたら契約する」など、希望額を明確にして交渉するとよいでしょう。

値引き交渉は7~8月がベストタイミング

7~8月は、値引き交渉をするのにおすすめの時期です。1~3月は不動産市場のトップシーズンで、値引きをしなくても借りてくれる人は大勢いるため、値引き交渉をするのは難しいでしょう。逆に、7~8月は閑散期です。トップシーズンに入居者が出なかった物件がこの時期まで残っている場合などは特に、家主も不動産会社もなんとか入居してもらいたいという気持ちがあります。そのため、7~8月は家賃の値引き交渉に最適な時期といえるでしょう。お客さん自体が少ないため、時間をかけて対応してもらえることもメリットです。ただし、入退去の動きが少ない時期のため、物件数が少ないことに注意が必要です。不動産会社に希望を伝えても、条件を満たす物件に出会えるとは限りません。

値引き交渉は苦手という人へのおすすめ

値引き交渉は可能だと知っていても、実際に交渉するのは苦手という人もいるのではないでしょうか。交渉が難しいと感じる場合は、仲介手数料を半額または無料とうたっている不動産会社で物件を探すのがよいでしょう。そのような不動産会社であれば、値引き交渉は不要です。ただし、手数料がかからない分、家賃が高めに設定されている物件もあります。また、仲介手数料以外の名目で費用を請求されることもあるため、注意が必要です。

どんな物件でも仲介手数料が無料になる裏ワザとは

仲介手数料には下限が定められていないため、交渉次第で値引きは可能です。しかし、時期によっては交渉が難しいこともありますし、値引き交渉は苦手だという人もいるでしょう。値引き交渉に自信がないという人は、家賃に関係なく仲介手数料が無料、もしくは仲介手数料を3万9000円に抑えることができる「サンキュールーム(http://39room.com/)」に相談してみてはいかがでしょうか。

【この記事の監修】
大槻陽一 株式会社GKコンサルティング代表取締役

一部上場企業退職後、六本木のレストランにて接客スキルを学ぶ。その後、不動産会社・IT企業での勤務を得て 2013年8月、株式会社GKコンサルティングを設立。現在まで3,000件以上の不動産取引を経験。 取引慣習にブラックボックス的な要素が多く、一般のユーザーにとって不透明な不動産業界を変えるため、インターネットメディアを通じて有益な情報を届けている。

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