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賃貸の仲介手数料は値下げ交渉できる?より安く抑えるための方法は?

02-11-2020

賃貸物件の契約においては、一般的に仲介手数料が発生します。通常、1カ月の家賃程度のお金が請求されるので、意外に負担が大きいといえるでしょう。この仲介手数料は値下げ交渉できるのでしょうか。実は、工夫次第で仲介手数料は安く抑えられるのです。この記事では、賃貸の仲介手数料の交渉の仕方や値下げ交渉に適したタイミング、仲介手数料が無料の業者などを紹介します。

賃貸の仲介手数料の金額交渉はできるの?

結論からいえば、仲介手数料の金額交渉は可能です。というのも、賃貸の仲介手数料の上限は、法律によって「家賃1カ月分+消費税」と決められているのに対し、下限については特に決まりはないからです。もちろん相場はありますが、仲介業者によって、ある程度自由に決められています。ただ、独自に決めているものの、仲介業者にとってはやはり利益が多いほうがよいので、多くの場合は上限である「家賃1カ月分+消費税」としているのが現状です。このあたりは、たとえば消費者金融における金利が法律の上限近くで横並びということと、似ているといえるかもしれません。不動産業界では上限いっぱいに仲介手数料を設定するのが半ば常識とされているのです。

しかし、下限が固定されていない以上、上手に交渉すれば受け入れてくれることもあります。ただし、交渉のタイミングや言い方など、コツやポイントを押さえておくことが重要です。これらに気を付けないと、仲介手数料を希望の金額に下げてもらうのはむずかしいでしょう。次項から、これらについて紹介していきます。

仲介業者が仲介手数料の交渉に応じるケース

仲介手数料は仲介業者にとって貴重な収入源。当然ながら「なるべく値下げをしたくない」というのが本音です。しかし、仲介業者によっては、借主からの賃貸手数料以外で利益を上げているケースもあります。実はあまり知られていないことですが、仲介手数料は借主からだけでなく、賃貸物件の貸主からも請求できることになっています。そのため、大家さん側から多く仲介手数料を取ったぶん、借主側の仲介手数料を安くするなどができるのです。この仲介手数料は、広告費という名目で徴収することもあります。いずれにしても、大家さん側から多く収入がもらえる物件では、割引してくれる可能性が高いといえるでしょう。

また、大家や仲介業者がどうしても契約してほしいと考えている状況でも同じです。たとえば、なかなか借主が決まらず家賃収入が見込めない場合や、決算時期で売上げを少しでも伸ばしたい場合などは、仲介手数料を下げてでも契約したいと考えやすくなります。

仲介手数料の交渉をおこなうのはいつがいい?

仲介手数料の交渉で大切なのはタイミングです。ここでは値下げ交渉に適したタイミングを3つ紹介します。

契約の相談をするとき

「できるだけ値下げしたくない」「でもお客を取り逃がしたくはない」というのが、仲介業者の心理といえます。ですので、仲介手数料が契約のネックになっていることを伝えることが、交渉のポイントになるのです。たとえば、契約の相談をするときに「仲介手数料がもう少し安くなるなら、この物件に決めたい」などと伝えると、仲介手数料を割引してもらえる場合があります。ここで重要なのは、仲介業者に契約まであと一歩であることを十分にわかってもらうことです。そのためには、引越し日時が決まっていることを伝えるのが効果的です。「この人は本気でこの物件を契約しようとしている」と思ってもらえれば、契約を後押しするために割引してもらいやすくなります。

「仲介手数料の金額を下げればすぐに契約してくれそうだ」と思ってもらえれば積極的に割引を考えてもらえますが、逆に、いきなり値下げ交渉すると成功率は低いといえます。自分の意思や状況を伝えていないと、すんなり希望が通ることは稀です。加えて、一般的には、すぐに値切ってくるようなお客はあまりよい印象を持たれません。その後の交渉にも悪影響が出てしまう場合があるので、契約を相談するタイミングまで待ちましょう。

見積もりを比較したとき

気に入った物件がみつかったら、その物件を扱っている複数の仲介業者から見積もりを取ってみましょう。仲介手数料は各仲介業者が設定している金額なので、お得な条件がみつかるかもしれません。もし、見積もりを取った段階で、納得できる仲介手数料の条件を提示している業者があれば、そこに決めてしまってもよいでしょう。プロである仲介業者と一般の人が交渉するのは、意外に大変なものです。手間と時間を節約する意味でも、相見積もりを取るのは効率的な方法なのです。

しかし、労力を惜しまないなら、「ほかの業者より仲介手数料が安くなるなら、ここで契約する」などと、交渉してみてはどうでしょうか。もしかすると、仲介手数料を下げてくれるかもしれません。ここでのポイントは「他の業者も真剣に検討している」と思わせること、そして「お客を取られたくない」「うちと契約してほしい」と思わせることです。また、他社がキャンペーンをしている場合も同じように交渉に使えます。「A社は仲介手数料を半額にするキャンペーンをしていた」などと伝えれば、同じ程度のサービスをしてくれることもあります。

申込書を書くとき

もし、物件を探し始めるときに「仲介手数料を安くしてほしい」と伝えてしまうと、「それは難しいので、敷金や礼金がない物件をお探しします」などといわれてしまいます。敷金・礼金は大家の収入なので、仲介業者がこのような対応をとるのは、ある意味当然といえるでしょう。結果として選択肢が狭くなり、希望に合う物件がみつかりにくくなってしまいます。

そのため、希望通りの物件をみつけたうえで仲介手数料を安くしたいなら、「契約まであと一歩」という申込書を書く直前が、交渉に適しているタイミングなのです。契約の相談をするときと同じく、お客を逃したくない心理が仲介業者に働くので、割引してもらいやすくなるでしょう。もちろん最終段階での交渉なので、割引に応じてもらえないことを納得できないなら、物件探しが無駄になってしまいます。希望の物件を探すのが最重要で、あわよくば仲介手数料が安くなればよいというスタンスの人に向いている方法といえます。

注意が必要なのは、申込書を書いてしまうと仲介手数料についても同意したことになる点です。前言撤回という形になるので仲介業者としても納得しにくく、交渉はうまくいかないことが多いといえます。交渉するつもりなら、必ず申込書を書く前に行い、納得してから申込みをしましょう。

仲介手数料の交渉がしにくいタイミング

ここでは、仲介手数料の交渉がしにくいタイミングを紹介します。

すでに割引されているとき

仲介業者によっては、半額キャンペーンなどを実施している場合があります。すでに通常より仲介手数料を安く設定している状態なので、このようなときは交渉の余地はあまりないでしょう。「さらに値引きをしてほしい」と頼んでも、多くの場合は希望が通りません。キャンペーンが適用されているのに、無理やり値引き交渉しようとすると、面倒な客と思われてしまうことすらあるのです。キャンペーン効果によって、店舗に人が集まっている場合などでは特にそうでしょう。よい物件を紹介してもらえなくなったり、物件探しを手伝ってもらいにくくなったりすることがあるので、気を付けたいところです。最初から値引きがある場合には、割引は難しいと考え、むやみに交渉しないようにしましょう。仲介業者によっては、全額無料のキャンペーンを実施しているところもあります。このような仲介業者を改めて探してみるなり、キャンペーンを待つなりしてみてはどうでしょうか。

お客さんが多い時期に差し掛かっているとき

仲介手数料を上手に交渉するには、賃貸物件の繁忙期と閑散期を知っておくことが大切です。繁忙期は一般的に春から新生活を始める人が多い1~3月ごろです。お客さんが多い時期には、空いている物件がどんどん埋まっていくため、わざわざ仲介手数料を安くする必要はありません。断られても、すぐに違う希望者が契約をしてくれるからです。そのため、当然ながら、仲介手数料の交渉も難しくなります。

逆に、7~9月となると閑散期がやってきます。この時期にはお客が少ないため、仲介業者も大家もなるべく契約のチャンスを逃すまいとしています。なぜなら、もし部屋が埋まらないと、次の繁忙期になるまで空き室になってしまう可能性が高くなるからです。このような時期には「良い部屋だと思ったが、仲介手数料が高いので相談できないか」などと持ちかけると、交渉がうまくいくことが多いといえます。引越し時期を選べるなら、契約数が少なくなり、仲介業者も大家も入居者を探している時期を選びましょう。

仲介手数料の交渉時に気を付けたいマナー

仲介手数料の交渉自体は、法律に違反しているわけではありません。一般的な割引交渉なら、常識から外れた行為として扱われることはまずないでしょう。ただ、態度次第では厄介な客とみなされてしまいます。高圧的な言動や、長時間店内に居続けるなどは避けましょう。仲介手数料に不満があっても、正当な営業行為ですから、割引を無理強いするのはよいことではありません。不動産業界では、上限ぎりぎりの仲介手数料を取ることも、ごく一般的なのです。

あくまでも「できれば値下げをお願いしたい」という謙虚な姿勢をみせることが、値引き交渉では大切です。仲介業者も人ですから、傲慢な客に対しては値引きをしてあげたいとは思わないでしょう。謙虚な姿勢のほうが交渉が成立しやすくなります。また、感情に訴え過ぎず、予算がないこと、いくら値下げすれば契約したいと思っているか、などを客観的に伝えるのもよい方法です。交渉のポイントが明確なら仲介業者も相談に乗りやすく、場合によっては、担当者が上司などへ掛け合うなどもしやすくなるでしょう。

また、仲介手数料以外に影響が出てしまうことも考えられます。入居審査の一部は仲介業者がしていますから、悪い印象を持たれると審査に落ちやすくなってしまいます。あまり高圧的な態度を取っていると「自分勝手な人のようです」などと大家に伝えてしまうかもしれません。そうなれば、ますます審査に不利になってしまいます。交渉のタイミングや相手の反応などを慎重に見極めながら、紳士的な交渉を心がけましょう。

交渉ナシで仲介手数料を安く済ませる方法

引越しに慣れている人ならばともかく、一般の人の多くは、仲介手数料の交渉自体や交渉に適したタイミングなどを見極めるのが、難しいと感じるのではないでしょうか。そのような人に向いているのが、もともと仲介手数料を無料にしている「サンキュールーム」です。貸主である大家から仲介手数料を徴収しているので、借主側の仲介手数料は無料です。最初から仲介手数料が無料なら、交渉のために駆け引きをしたり、引越しの時期を選んだりする必要はありません。また、仲介手数料が安い物件に絞って探す必要もないので、希望する物件をみつけやすくなるでしょう。

仲介手数料が15万円かかる賃貸物件ならば、このお金を引越し費用や、新たな家具や家電などの購入に用立てることもできます。実は、仲介手数料を安くすることへのニーズは高まっており、仲介手数料を値下げする業者も増えています。しかし、ほとんどは半額程度の割引に留まるため、この例では、サンキュールームのほうが7万5千円もお得なのです。さらに、時期によっては「仲介手数料無料の物件に対して1万円のキャッシュバック」「家電をプレゼント」「インターネット回線加入で3万円のキャッシュバック」などの特典が実施されています。ホームページで最新情報をチェックしてみましょう。

大家が仲介手数料を負担したくない場合は、サンキュールームが仲介手数料を割引するシステムをとっています。物件に関係なく一律3万9000円という明快なシステムなので、初めての人も安心して利用できるでしょう。仲介手数料がこの料金であれば、一般的な仲介手数料である家賃1カ月分程度に比べれば、多くのケースで安くなるはずです。

サンキュールームは「suumo」「at home」「HOME’S」など大手不動産検索サイトの物件にも完全対応しており、他社物件においても仲介手数料の割引サービスを実施しています。ホームページのアドレスや地域と物件名などの情報さえあれば、無料か3万9000円のいずれかをすぐに調べてくれるので、気になる物件があれば一度問い合わせをしてみてはどうでしょうか。

交渉や業者選びによって仲介手数料を安く抑えよう

仲介手数料は固定料金のように思われていますが、実は、交渉次第で安くできます。しかし、そのような手間をかけなくても「サンキュールーム」なら仲介手数料が無料です。仲介手数料の条件によらず希望の物件をスムーズにみつけたい人は、利用してみてはどうでしょうか。交渉や業者選びによって仲介手数料を安く抑えましょう。

【この記事の監修】
大槻陽一 株式会社GKコンサルティング代表取締役

一部上場企業退職後、六本木のレストランにて接客スキルを学ぶ。その後、不動産会社・IT企業での勤務を得て 2013年8月、株式会社GKコンサルティングを設立。現在まで3,000件以上の不動産取引を経験。 取引慣習にブラックボックス的な要素が多く、一般のユーザーにとって不透明な不動産業界を変えるため、インターネットメディアを通じて有益な情報を届けている。

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