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2020年東京オリンピック開催で住宅価格への影響は?

10-05-2016

2020年東京オリンピック開催で住宅価格への影響は?

2020年の東京オリンピック開催にあたり、東京の住宅の価格はどうなっていくのでしょうか。また、2027年にはリニア新幹線開業も予定されていますので、不動産の価格に関しても大きく変化することが予想されます。こうした大きな変化は、東京や関東圏を中心に経済をまわしていくことにつながります。もちろん、不動産業界全体にはにはプラスの影響といえそうです。今回は、連日マスコミでも話題ですが、2020年の東京オリンピックの影響について考えていきたいと思います。

2020年東京オリンピックの会場は?

rotterdam-1598418_1280東京オリンピックは85%の競技会場を選手村から半径8キロ以内に配置して、選手や関係者に負担が少ないという「コンパクトな五輪」なのだそうです。開催期間は、2020年7月24日(金)~8月9日(日)です。陸上競技等が行われるスタジアムは、現在ある国立競技場を解体し、その場所に新たなスタジアムを建設します。2019年完成予定という新スタジアムは、建設費等の問題もあり、マスコミでも話題になっています。

東京都の地価は上昇傾向

特に銀座等を有する中央区の地価が上昇しています。2016年現在、東京オリンピックに向けての観光需要の上昇によりホテルが埋まっていたり、足りなくなっているという現状があります。その他にも、東京の地価が上がる要因がいくつかあります。まず、住宅ローン減税や住宅に関しての贈与税の減税等の施策によって住宅購入に拍車をかけていることや、景気が回復してきたことにより都心のマンションが売れていることです。富裕層のオリンピックに向けての不動産投資も加速しています。実は都内のマンションの平均価格は、この3年間で1500万円程度も上がっています。
都心を中心にタワーマンションの建設ラッシュも起こっています。豊洲などの湾岸エリアでは、東京オリンピックに向けた交通整備が行われていて、マンションもどんどん増えています。

過去のオリンピックでは、不動産価格に影響があったのか

過去のオリンピックでは、1964年の東京オリンピックの状況を思い起こしてみましょう。この時は、東京都の地価が大幅に上昇しました。しかし、この時代、東京以外の他の地域でも地価が大幅に上昇していた時代背景の中ですので、東京オリンピックだけの影響とは言えない部分があります。今回のオリンピックでは、再びこのバブル期のような大幅上昇は見込めないでしょう。他国のオリンピック開催国の過去の事例では、ほとんどの国がオリンピック開催年まで不動産価格の上昇があり、その後は停滞あるいは下落というパターンをたどっています。これは、その国の経済状況の変動とも連動しています。

住宅購入、2016年は?タイミングは?

m020144東京の地価や不動産価格は、東京オリンピックに向けて上昇していますが、終了後に大幅に下落していくということは考えにくいと思われます。価格変動の損得が気になる方は、都内の中でも価格の変動の影響を受けにくい場所を検討して買うこともおすすめではあります。今良いマンションを探したいということであれば、都内の再開発や、湾岸エリアのマンション建設ラッシュで、物件自体の数が多いこの時期に買うことで選択肢が多くおすすめです。
オリンピック前だからと言って、必ずしも買い控えをする必要もないかもしれません。2016年は、翌年4月1日から消費税が10%に増税することや、これから親や祖父母からの住宅資金の贈与非課税枠が変わること、現在住宅ローン金利が最低水準であること、等買い時という側面もあるのです。
住宅購入はとても大きな買い物です。不動産価格が変わることを恐れすぎず、自分たちのタイミングにもう少し意識を向けていっても良いのではないでしょうか。

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