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仲介手数料が半額に?契約前に知っておきたい節約ポイントと注意点

01-07-2020

売買にしても賃貸にしても、不動産の取引をするときは契約時にまとまった支払いが必要となります。

なかでも負担が大きいのは、取引の仲介をしてくれる不動産会社に支払う仲介手数料です。しかし、ポイントを抑えていると、この仲介手数料もある程度は節約することが可能です。

そこで、この記事では、不動産取引における仲介手数料の節約ポイントと、節約するための注意点について詳しく説明します。

仲介手数料は仲介会社の成功報酬

仲介手数料とは、不動産物件を取引するときに売主や買主、貸主や借主から仲介業務を行った不動産会社に支払われる報酬です。

仲介手数料は不動産会社にとっては契約が成立してはじめて請求することができる成功報酬で、不動産会社に出向いて相談をしただけのときや、契約が成立しなかったときは支払う必要がありません。

仲介手数料の計算方法は賃貸と売買で異なりますし、取引金額によっても変わってきます。また、宅地建物取引業法によって上限が定められており、不動産会社が上限を超える仲介手数料を受け取った場合は法令違反となります。

仲介手数料の相場とは

この段落では、実際に不動産会社に仲介を依頼したとき、どれくらいの仲介手数料が必要になるか、売買と賃貸それぞれの相場と計算方法について詳しく説明します。

売買の場合

売買物件の仲介を行う不動産業者が、取引の一方から受け取れる仲介手数料は金額区分で以下のように計算方法が異なります。
・取引額200万円以下の部分は取引額の5%以内
・取引額200万円を超えて400万円以下の部分は取引額の4%以内
・取引額400万円を超える部分は取引額の3%以内

金額区分ごとにわけて計算するのは手間がかかるため、一般的には「売買価格×3%+6万円+消費税」という速算式が用いられます。6万円という金額は一律3%で計算した場合に出る差額、200万円以下の部分2%の4万円と、200万円を超えて400万円以下の部分1%の2万円の合計です。

賃貸の場合

賃貸の場合、仲介手数料は「賃料1カ月分+消費税 」が上限と定められています。

ただし、売買の場合とは異なり、貸主と借主の双方から受け取れるわけではありません。住用建物の報酬では、基本的に貸主と借主がそれぞれ賃料0.5カ月分+消費税と定められています。

しかし、「依頼者の承諾を得ている場合を除き」という但し書きがあるように、貸主や借主の承諾があれば必ずしも双方で0.5カ月分ずつ折半する必要はなく、どちらかが1カ月分を全額負担してもよいことになっています。

一般的には、契約書に仲介手数料についての記載があり、契約締結をもって承諾したものとみなされます。

↓ 詳しくはこちらをご参考ください ↓

仲介手数料に含まれる費用と含まれない費用

不動産会社は、取引を成立させるために様々な努力をしています。

例えば、物件に関する広告を出したり、内覧したいという希望者のために現地を案内したりと、契約に至るまでには様々な営業経費が必要になります。

仲介手数料に含まれているのは、そういった仲介にかかる一般的な広告費や交通費、ガソリン代、営業経費などです。また、依頼者から特別な広告を依頼されたり、遠方へ出張した分に関する実費などは、別途支払いが発生する場合もあります。

仲介手数料は値引き交渉が可能!

法律で規制されている仲介手数料はあくまで上限額なので、必ずしもその金額を請求しなくてはいけないというわけではありません。

そのため、値引き交渉を行うことは可能です。ただし、交渉するタイミングを外すと難しくなってしまうことがあるので注意しましょう。

この段落では、いつ仲介手数料の値引き交渉をすればよいのか詳しく説明します。

交渉のタイミング:売主または貸主の場合

売主や貸主の場合、媒介契約を交わして不動産会社に仲介を依頼します。売主や買主が値下げ交渉をするベストなタイミングは、この媒介契約を締結する前です。

媒介契約には条件の違いで「一般媒介」、「専属媒介」、「専属専任媒介」の3種類があります。一般媒介では売主や貸主は複数の不動産会社に買主や借主を探してもらうことが可能です。

しかし、「専属媒介」や「専属専任媒介」では1つの会社にしか依頼ができません。不動産会社にとってはライバル会社に仕事を取られることがなく、有利だといえます。

仲介手数料の金額自体は、媒介契約の種類によって変わるものではありません。ただ、不動産会社はライバルのいない専任媒介や専属専任媒介の媒介契約を結びたいと考えていることが多いため、専任媒介や専属専任媒介にすることを材料にして仲介手数料の値下げ交渉をすることが可能なのです。

交渉のタイミング:買主または借主の場合

不動産売買の契約では、どうしても売主よりも買主のほうが弱い立場です。人気物件では値下げ交渉をしない取引相手が出てくる可能性もあるため、なかなか値下げには応じてくれません。

最初から仲介手数料の値下げ交渉を行うと、仲介してくれる不動産会社のやる気を削いでしまう可能性もあります。かといって、契約がほぼ成立するというタイミングになってから交渉をするのもマナーに反しています。なぜなら、仲介業務で不動産会社が得られる報酬は基本的に仲介手数料だけなので、会社としても得られる報酬を念頭に置いて仕事をしているからです。

そのため、値下げ交渉は話が本格的にまとまる直前ではなく、買付の申し込みを入れるタイミングで行うとよいでしょう。

賃貸物件の借主が値下げ交渉を行うのにベストのタイミングは、賃貸借契約の締結前です。仲介手数料に関する内容は契約書に記載されているため、事前にしっかり目を通す必要があります。

また、賃貸物件の場合は、時期によって交渉しやすい時期としにくい時期があります。

例えば、進学や転勤などで引っ越しが多い1~3月は物件の動きが早く、値下げ交渉も難しい時期です。繁忙期の1~3月を過ぎた4月以降になると、空室が出ている場合は交渉がしやすくなります。

多少異動で引っ越しがある9~10月や、年明けの繁忙期に向けての準備しはじめる11~12月に値下げ交渉するのは不可能ではありませんが、少し難しくなります。

一方、動きが少ない7~8月は閑散期真っ只中であり、この時期に空室が出れば貸主も仲介会社も、どうにかして空室を埋めたいと考えます。家賃も含めて様々な交渉がしやすいため、この7~8月の閑散期に値下げ交渉を行い、契約するのもひとつの方法です。

仲介手数料が無料または半額になるケースとは

売買や賃貸の不動産取引で、仲介手数料が無料や半額になるケースもあります。

そこで、この段落では実際にどのようなケースで無料や半額になるのか詳しく説明します。

不動産会社が物件の売主あるいは貸主である

不動産の売買や賃貸の取引では、多くの場合、不動産会社とは別に物件を所有している売主や貸主がいます。そのようなケースでは仲介する不動産会社が売主と買主、貸主と借主の間を取り持つため、仲介手数料が発生します。

しかし、なかには不動産会社自体が物件を所有し、売主または貸主となっている場合があります。そのようなケースでは仲介業務そのものが存在しないため、仲介手数料は請求されません

しかし、物件の売買価格や家賃の値下げ交渉自体はできますが、プロを相手にしなくてはならないため、ある程度の知識が必要になります。

貸主から半額を受け取っている

賃貸の場合、従来は借主側が仲介手数料の上限である家賃1カ月分を負担しているケースが多くありました。しかし、国土交通省の公示では、「依頼者の承諾を得ている場合を除き、家賃1カ月分×0.55以内」とされていることから、公示に従った金額の場合は仲介手数料が家賃1カ月分の半額になっています。

なお、公示に記載されている金額は消費税込みになっているため、「家賃1カ月分×0.55」は「家賃0.5カ月分+消費税」と同じです。

不動産会社の企業努力による経費削減

不動産会社のなかには、買主や借主から仲介手数料を受け取らない方針で営業を行っている会社もあります。

大きな収入源となる仲介手数料を受け取らないという選択をするために、会社は様々な経費削減の努力を行っています。例えば、業務を効率化して経費を削減するのもそのひとつです。

また、従来のように新聞折込や雑誌などに広告を掲載するのが当たり前だった頃とは違い、インターネットを使うことで広告費を抑えることもできるようになりました。

さらに、仲介手数料を抑えられる物件を独自にリサーチできるルートを確保していることもあります。以上のように、企業努力によって仲介手数料を半額や無料にできる不動産会社も増えてきています。

↓ 詳しくはこちらをご参考ください ↓

初期費用を抑えるなら仲介業者選びから始めよう!

不動産売買や賃貸にかかる仲介手数料は値下げ交渉をすることが可能です。

ただし、交渉が苦手な人にとっては難しいこともあるため、最初から仲介手数料無料や半額をうたっている会社を通して取引するのがおすすめです。

「サンキュールーム」や「ゼロワンハウス」は仲介手数料がお得なのはもちろん、キャッシュバックキャンペーンなどもあるので、一度物件選びの相談をしてみてはいかがでしょうか。

【この記事の監修】
大槻陽一 株式会社GKコンサルティング代表取締役

一部上場企業退職後、六本木のレストランにて接客スキルを学ぶ。その後、不動産会社・IT企業での勤務を得て 2013年8月、株式会社GKコンサルティングを設立。現在まで3,000件以上の不動産取引を経験。 取引慣習にブラックボックス的な要素が多く、一般のユーザーにとって不透明な不動産業界を変えるため、インターネットメディアを通じて有益な情報を届けている。

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