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不動産を借りるときにかかる初期費用って?安く抑えるための方法を紹介!

02-25-2020

アパートやマンションなどを借りるためには、家賃を毎月払う必要があります。また、契約時には初期費用が掛かりますが、これまで賃貸経験のない人は、どのような費用が必要なのかわからないかもしれません。初期費用は物件によっても異なってきます。また、状況によっては、初期費用を安く抑えることも可能です。この記事では、初期費用の目安や安く抑える方法について説明していきます。

不動産を借りるときの初期費用の目安

アパートやマンションなどの不動産(賃貸住宅)を借りるときは、住む人のライフスタイルに合わせることが大切です。そのためには、間取りや交通アクセスなど、いろいろな条件を挙げたうえで、具体的に絞り込む必要があります。もちろん、月々の家賃も大事な条件です。家賃は、その物件に住み続ける限り発生するため、高すぎるところを選ぶと家計の圧迫にもなりかねません。そうならないためには、家賃がどれくらいかかるかが大きなカギを握ります。また、物件探しの目安にする人も多いのではないでしょうか。

ただし、不動産を借りるために確認したい点は、月々の家賃だけではありません。物件の契約時には大家さんや仲介業者に支払う費用、つまり「初期費用」がかかってくるのです。具体的な金額は、物件のある地域やそれぞれの物件ごとに異なります。やはり、立地条件がよい場所の物件や築浅物件などは、初期費用が高くなるケースが少なくありません。これらの背景を理解したうえで、初期費用の相場を知っておくと参考になります。こちらには諸説がありますが、だいたい家賃の4.5~6倍程度と考えておくとよいでしょう。

新生活を始めるためには、初期費用だけでなく、引っ越し費用や、家財道具の購入費用などもかかってきます。これらの費用は初期費用に入れるとの説がある一方で、初期費用に含めないとの考え方も存在します。いずれにしても、新しい場所で生活を始めるためには、かなりの費用がかかることを把握しておきましょう。そのため、進学や就職、結婚などにともない引っ越しを考えている人は、計画的に資金準備することが大事なポイントです。なお、月々発生する費用には、家賃のほか共益費や駐車料金などもありますが、わかりやすいように「家賃のみ」を対象にしました。

不動産を借りるときはどんな初期費用がかかる?

不動産の契約時にはどのような費用が必要なのでしょうか。ここでは不動産を借りるときにかかる、初期費用について説明します。

敷金・礼金

初期費用の代表として「敷金」と「礼金」の存在を見逃せません。実際、不動産情報を探すとき、これらを目にする機会が少なくないでしょう。不動産のなかにはこれらの金額が大きいところもあり、不動産選びを躊躇することにもつながります。不動産契約時には、これらの費用が持つ意味を調べたうえで、しっかり納得することが大切です。

まず「敷金」から説明します。敷金は家賃の不払いに備えるほか、部屋を退去する際の原状回復費に充当するための費用です。こちらは大家さんに支払うもので、目安は家賃の1~2カ月分とされています。入居時に支払ったうち、前述の目的で使用した以外は退去時に返金されます。つまり、家賃の未払いがなく、ひどい汚れや破損などがなければ、問題なく返金されることが一般的です。

どれほど注意して暮らしていても、どうしても汚れが生じてきます。そのため、借主の故意、または不注意や過失などが原因でない限り修繕費の負担義務はないのです。原状回復費用を払う必要がないことは、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でも示されています。しかし、退去時に敷金から原状回復費用が差し引かれることも少なくありません。賃貸契約時、重要事項を貸主に説明することは仲介業者の義務です。ところが、十分説明を受けないままで契約することや、敷金に関する情報の認識不足などが考えられるからです。さらに、入居前の汚れを確認しないことがトラブルにつながる可能性がでてきます。

大家さんに支払う費用には「礼金」もあります。ただ、こちらは部屋を貸してくれる大家さんへの「お礼」の意味で払うため、退去時に返金されるものではありません。また、昔からの習慣として設定されており、地域によっても扱いが異なってきます。なお、こちらの金額も敷金と同様、家賃の1~2カ月分が目安とされます。ただし、礼金がない物件が増えていることも知っておきましょう。

前家賃

不動産を借りるときは、月々の家賃を前払いする形が一般的です。つまり、月末までに翌月分の家賃を払わなければならないのです。このような考え方は、賃貸契約期間中ずっと続きます。また、賃貸契約時にも適用されることを把握しておきましょう。つまり、不動産契約時には、少なくとも1カ月分の家賃を多く用意しておく必要があるのです。さらに、月の途中から入居する場合は、前家賃だけでなく、当月分の家賃も発生します。こちらは日割り計算されますが、月初めなど、契約時期によっては1カ月分近い費用になる可能性もでてきます。

火災保険料

不動産を借りるとき、火災保険への加入が義務付けられています。賃貸住宅に住んでいると、いろいろなトラブルの可能性がでてきます。そうならないためには万全な対策が欠かせません。また、火災保険に入るメリットが大きいといえるでしょう。火災保険では、火災だけでなく、水漏れなどが補償対象になることも少なくありません。特に、集合住宅で水漏れを起こすと、ほかの入居者に迷惑をかけてしまいます。そのような場合、火災保険のありがたさを知ることもあるでしょう。

火災保険は、不動産仲介業者(以下、「仲介業者」)に指定された保険会社で加入することが一般的です。しかし、自分が入りたい火災保険があれば、そちらの保険に入ることも可能です。その場合は、火災保険の加入証明書を提出することになります。なお、火災保険に入るときは、保険料だけで決めるのではなく、補償内容をきちんと確認することが大切です。ちなみに、火災保険料の目安は、2年間分で1万5000円~2万円とされています。

仲介手数料

不動産契約時の初期費用として、仲介業者に支払う「仲介手数料」の存在も見逃せません。こちらは、仲介業者の紹介で不動産契約を行うときに発生する費用です。そのため、大家さんと直接契約するときには必要ありません。しかし、不動産探しには仲介業者を利用することが一般的です。また、大家さん側も仲介業者を利用するケースが増えてきました。このような背景もあり、賃貸契約時に仲介手数料が必須だと考えておいたほうがよいでしょう。ちなみに、賃貸の仲介手数料は「家賃の0.5~1カ月分+消費税」が目安になっています。

こちらの金額は「宅地建物取引業法」に基づいて上限金額(賃料の1カ月分以内+消費税)が設定されています。こちらにある「1カ月以内」との考え方から、仲介手数料を賃料の1カ月分+消費税に設定することもできるのです。法律に定められているため、不当に高い金額を請求される心配はありません。また、仲介手数料は、貸主と借主、双方の合計金額を上限額内で設定する必要があります。ただし、依頼者の承諾があれば、貸主と借主の一方から受けることも可能です。貸主と借主が負担する内訳に制限がないため、借主の負担が大きくなるケースもでてきます。なお、仲介手数料は仲介業者にとって貴重な収入源になることから、上限いっぱいに設定されることも少なくありません。

その他の費用

不動産を借りるときは、上記以外の費用が必要なケースもでてきます。その一つに「鍵交換代」があり、借主が負担するケースも少なくないようです。鍵の交換をするところでは、新しい入居者が決まったタイミングで行います。鍵を新しくすることで防犯にも役立つリットがあります。ただし、性能が高い鍵では数万円かかる場合もあるので、注意が必要です。また、専門業者による害虫駆除などを行うケースがあることを知っておきましょう。さらに、賃貸契約に際しては連帯保証人を付けることが一般的です。しかし、最近では家賃保証会社を利用するケースも少なくありません。その場合、保証会社に支払うお金も必要になります。

不動産を借りるときにかかる初期費用の負担を抑えるには?

ここでは、不動産を借りるときにかかる初期費用の負担を抑えるにはどうしたらよいかについて説明します。

分割払いをする

まず、考えられる方法はクレジットカードによる分割払いです。こちらに対応している不動産仲介業者も増えてきたため、契約時に相談してみるとよいでしょう。ただし、費用のなかには分割払いできないものもあります。また、分割払いをすることで、毎月の支払に金利が上乗せされるため、トータルの費用が高く付くと覚悟しておきましょう。つまり、クレジットカードでの分割払いは借入と同じになるのです。

一方、初期費用を分割払いにするメリットもあります。引っ越しのときは、想定外の費用が発生することが少なくないでしょう。もし、不動産の契約や引っ越しのためにお金を使ってしまうと、金銭的余裕がないまま新生活をスタートすることになります。このような不安を払拭するためにも分割払いは有効かもしれません。もちろん、前述したように利息がかかる点などを考慮する必要があります。そのため、どうしても一括での支払いが難しいときの手段として、慎重に利用を検討することが大切です。

フリーレント物件を見つける

初期費用を抑えるために「フリーレント物件」を見つける方法があります。フリーレント物件の大きな特徴は、入居後一定期間の家賃が無料になる点です。賃貸物件のなかには、1~3カ月程家賃がかからないフリーレント物件も存在します。そのため、フリーレント物件を選ぶことで、家賃負担分を初期費用に回すことも可能です。ただし、フリーレント物件の利用条件は個々によって異なります。そのため、契約前にしっかり確認しておくことが大切です。たとえば、契約後1年未満など、早期に契約解除すると違約金が発生する場合もあります。また、フリーレント期間が終わった後は、賃料が割高になるケースがあるため、くれぐれも注意が必要です。

大家さんと交渉する

初期費用のなかには、敷金や礼金、前家賃など、大家さんに支払う費用が少なくありません。そのため、大家さんに交渉して初期費用を抑えるのも選択肢の一つです。特に、引っ越しをする人が少ない時期の入居なら、交渉しやすいかもしれません。大家さんにすれば、空室のままで置くよりは、空室を埋められるメリットのほうが大きいと考えられるからです。もちろん、家賃の値引きは難しいかもしれません。何万円も安くなるのは論外、値引きされても数千円程度です。また、今後お世話になることを考えると、無理な交渉は避けたほうが賢明といえるでしょう。

仲介業者と交渉する

不動産契約にともなう初期費用として「仲介手数料」も注目されます。こちらの金額に関しては先述したとおり上限があるため、それを超えることはできません。しかし、仲介手数料は仲介業者が独自に決めていることから、交渉によって値引き可能な場合がでてきます。そのためには、契約の意思を明確にすることが大切です。物件契約前に「仲介手数料が安くなるなら、いますぐ契約したい」旨を伝えましょう。そのうえで、交渉の時期なども大きな課題になります。進学や就職などで引っ越しをする人が多い1~3月ごろは、不動産業界の繁忙期です。自分が交渉に踏み切る前に、ほかの人が契約することも十分考えられます。

初期費用が少ない物件や業者を選ぶ

不動産契約時の初期費用を抑えるためには、初期費用そのものが少ない物件や業者選びを検討しましょう。物件のなかには、敷金や礼金が安いものだけでなく、それらの費用がかからないものもあります。そのような物件を選ぶことで、初期費用を大幅に減らすことが可能です。大家さんの方針によって金額が違うので、しっかりチェックすることでよりよい物件が見つけやすくなるでしょう。

初期費用を抑えるためには、仲介手数料が安い、あるいは必要としない物件を探すのもよいでしょう。「サンキュールーム」のように、借主の仲介手数料を無料にしている仲介業者もあります。不動産契約に際して仲介手数料がかからないのは、仲介手数料は大家さんが負担しているからです。そのため、借主は仲介手数料を払わなくても、通常どおり部屋探しのサポートが受けられます。ただし、大家さんからの手数料が出ない場合もあるため、気になる物件を見つけたら速やかに照会しましょう。

不動産の初期費用を抑えてスムーズに新生活を始めよう

不動産を借りるためには、さまざまな初期費用がかかってきます。いずれも必要な費用だけに抑えるのは困難かもしれません。ただし、工夫次第で初期費用を抑えることは可能になります。特に「サンキュールーム」なら仲介手数料なしでの契約が可能なため、ぜひとも利用してみましょう。新生活にはなにかとお金がかかります。不動産の初期費用を抑えたうえで、スムーズに新生活を始めてはいかがでしょうか。

【この記事の監修】
大槻陽一 株式会社GKコンサルティング代表取締役

一部上場企業退職後、六本木のレストランにて接客スキルを学ぶ。その後、不動産会社・IT企業での勤務を得て 2013年8月、株式会社GKコンサルティングを設立。現在まで3,000件以上の不動産取引を経験。 取引慣習にブラックボックス的な要素が多く、一般のユーザーにとって不透明な不動産業界を変えるため、インターネットメディアを通じて有益な情報を届けている。

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