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不動産取得の際にかかる費用はどれくらい?費用を抑えるコツも紹介

03-17-2020

不動産を購入するときは土地と建物の分だけでも多くのお金が必要ですが、それだけでなく、諸費用というお金も発生します。諸費用がどのようなものなのかを把握しておかないと、不動産を購入したときの資金繰りに困る可能性もあるでしょう。ここでは不動産取得の際にかかる費用について、不動産取得費の詳細や仲介手数料を安く抑えるコツなどを紹介します。

不動産取得費とは?

不動産取得費とは、その名の通り、不動産を取得する際にかかる費用のことです。大きく分けると、物件価格と諸費用に分類できます。ここでは、これらの2つの費用について、それぞれどのような特徴があるのかを紹介します。

不動産取得費1.物件価格

物件価格とは、土地と建物の価格をまとめたものです。通常は購入時に支払う頭金と、その後定期的に支払う住宅ローンによって精算を行う人が多くなっています。頭金の目安は物件価格の2割程度という場合が多く、リクルート住まいカンパニーの「2017年新築マンション契約者動向調査(首都圏)」のデータによると、具体的には200万円未満が3割、1500万円以上が2割程度です。低金利で住宅ローンの返済負担が軽くなるなど、行政の政策が絡んでいることも原因の1つといえるでしょう。なお、価格が低い住宅を購入する人のほうが、高い住宅を購入する人よりも頭金が少ないのも特徴です。

ちなみに、頭金なしで不動産を購入できると謳っている広告もあることから分かるように、頭金ゼロで不動産を手に入れている人たちもいます。そのようなことも可能ですが、その場合は月々に支払う住宅ローンが高額になってしまうので注意しないといけません。買うときの金銭的な負担は少なくなりますが、後のことをよく考えてから選ぶほうが良いでしょう。また、頭金なしの物件の場合、支払総額が高くなってしまう可能性も考えられます。

不動産取得費2.諸費用

一口に不動産といっても、マンションか戸建てかだけでなく、新築か中古かなど、不動産の種類ごとに必要なる諸費用の項目が異なるのです。諸費用の目安としては新築物件の場合は物件価格の3~5%、中古物件の場合は物件価格の6~8%程度となっています。たとえば、5000万円の新築物件を購入する場合は、諸費用として150~250万円ほどが必要になるということです。諸費用は、住宅ローンとは別で、入居前に現金で支払わなくてはいけないケースが多いので、注意しておきましょう。場合によっては、不動産取得税のように物件を購入してから半年程度で納税通知書が送られてくることもあります。

その場合は、購入時にその費用のことを計算し忘れないように気を付けることが大切です。ちなみに、諸費用もローンで支払いができるプランもあるのですが、諸費用ローンを契約すると、契約に伴う事務手数料や金利など、元々支払わなくてはいけない金額とは別で負担がかかります。その分、ローンの負担が増えてしまうので、どちらが良いかを考えてから選ぶようにしてください。諸費用ローンで借りられるお金は、物件価格の1割以内と決められているところが多いのですが、金融機関によっても異なるので事前に確認するようにしましょう。諸費用ローンの申し込みは住宅ローンとは別で申請と審査が必要です。

不動産取得にかかる諸費用の内訳は?

不動産取得にかかる諸費用の内訳には、さまざまな項目があります。ここからは、それぞれの項目について解説していきます。

不動産取得にかかる諸費用1.収入印紙代金

収入印紙代金は、不動産の種類に限らず支払わなくてはいけないもので、契約金額により印紙税額は異なるのが特徴です。印紙は各種契約書に貼るもので、決められた額の印紙を契約書に貼り、売主と買主がそれぞれ消印すると印紙税を納めたことになります。建売住宅を購入する場合は売買契約書、注文住宅を建てる際は建設工事請負契約書など、それぞれの用途に応じた契約書が存在していて、どの契約書にも印紙税が必要になるのです。税額は契約書の種類によって異なるのですが、2020年3月末までは不動産譲渡契約書と建設工事請負契約書の印紙税については軽減措置がとられているので通常の金額よりも安くなっています。

これらの契約書の税額については、書面に記載されている住宅価格や工事代金などの金額によって変わるのです。たとえば、契約金額が1000万円以上、5000万円以下の場合、本来であれば税額は2万円ですが、軽減税率の措置を受けることで税額が1万円になります。ほかにも、500万円以上1000万円以下であれば5000円、5000万円以上1億円以下であれば3万円、1億円以上5億円以下であれば6万円の税額となるのです。なお、不動産売買については、印紙は仲介会社が用意するケースが多くなっています。

不動産取得にかかる諸費用2.登記費用

登記とは、土地や建物について、所有権などを法務局にある登記簿に記載することを指します。登記簿に記載することによって、その土地や建物の所有者であることを証明できるのです。住宅ローンを借りる場合は、金融機関が土地や建物を担保として融資したことを示すために抵当権の設定登記が必要になります。登記費用も収入印紙代金と同様に、不動産の種類に限らず支払わなくてはいけないものです。所有権を登記する場合の税額は、土地や建物の評価額に一定の税率をかけた金額となっていて、売買される金額とは異なっています。

かかる費用としては、国や法務局に納めるもので20万円ほどですが、手続きを専門家に依頼した場合は別途報酬の支払いが発生するでしょう。登記作業は個人でも行うことは可能ですが、不動産によって登記に必要な書類が異なるので、面倒な手続きが苦手という人は司法書士などの専門家にお願いすると良いです。専門家に依頼することで正しく書類を準備できるだけでなく、手続きに伴う煩雑な作業を任せることができます。必要書類としては、たとえば、新築物件を購入した場合、個人であれば住民票と戸籍の附票が挙げられるのです。

また、法人の場合はこれらの書類に加えて1カ月以内に発行した登記事項証明書が必要になります。また、中古物件を購入する場合は、買主は対象物件の売買契約書と住民票や戸籍の附票などの住所の証明が可能なものが必要です。一方、売主は対象物件の登記済証、3カ月以内に発行した印鑑証明書、売買年度の評価証明書が必要になります。

不動産取得にかかる諸費用3.住宅ローン借り入れ費用

金融機関やプランによって借り入れ費用は異なるので費用を検討するうえでローン選びは重要です。住宅ローンは金融機関のプランの中から自分で探す方法と、仲介業者が紹介するプランを利用する方法があるので、どちらが自分に合っているのかを考えて選択するようにしましょう。住宅ローン借り入れ費用の内訳としては、融資手数料、ローン保証料、団体信用生命保険料、印紙税、登記費用の5つが挙げられます。融資手数料は、住宅ローンを申し込む金融機関に支払う手数料のことです。

融資手数料は、数万円ほどの定額制としている場合や「融資額×2%」などの金額で定率制としている場合、契約者の好きなタイプを選ぶことができる場合もあります。ローン保証料は、万が一返済が滞ってしまった場合に備えて保証会社に支払う手数料のことです。融資額に応じた金額を一括で支払ったり、金利に0.2%ほどを上乗せして支払ったりするケースがあります。団体信用生命保険料は、ローン契約者が死亡した場合に、保険料でローンを完済させるためのものです。保険料はローンに含まれることが多く、疾病特約料など、保険料以外であればローンに上乗せされることが多くなっています。

不動産取得にかかる諸費用4.固定資産税精算金

固定資産税精算金の「せいさん」という漢字は「清算」ではなく「精算」と表記されます。固定資産税とは、土地や建物の所有者に対して毎年課される税金のことで、税額は土地の評価額に税率をかけて算出されるのです。税率は市町村によって異なる場合があるので、具体的な金額を算出したい人は、市区町村の公式ホームページを見たり、窓口に問い合わせてみたりすると良いでしょう。土地と建物に対しては軽減措置が設けられていますが、建物の軽減に関しては新築のときから一定期間だけなので、気を付けなくてはいけません。固定資産税自体は3年ごとに見直され、物件購入後も定期的に支払う必要があります。

通常固定資産税は毎年1月1日に請求がくるので、売主が先払いしている分があるかもしれません。その場合は物件購入時のみ、固定資産税を清算するため固定資産税精算金が発生します。固定資産税精算金は物件購入代金として扱われるので、別途消費税が加算されることもあるでしょう。なお、清算金は引き渡し日を境に日割りで計算するのですが、起算日が1月になる地域と4月になる地域があるので、どのような計算になるのかを、契約時に確認しておくと良いです。

不動産取得にかかる諸費用5.不動産取得税

不動産取得税は、不動産を取得したときに1回だけ支払うものです。諸費用の多くは契約時にかかることが多いのですが、不動産取得税は納税通知書が届いてから支払います。不動産取得税は土地と建物についてかかり、「固定資産税評価額×税率」で算出可能です。軽減措置対策が設けられているので、適用されれば税率は2021年3月までは3%、4月以降は4%となるでしょう。新築、中古、マンションなどあらゆる物件で軽減措置が受けられる場合があり、適用要件に当てはまっていることが条件になるものの、それぞれ異なる措置が用意されています。

たとえば、新築住宅であれば、広さに関する要件が設けられていて、1区画の広さが50~240平方メートルの場合は物件価格から1200万円の控除が可能です。また、中古住宅であれば、新築住宅と同様の広さの要件に加えて、購入者自身が住む住宅であること、新耐震基準を満たす住宅であることの3つの適用要件が設けられています。

不動産取得にかかる諸費用6.修繕積立基金

修繕積立金は中古、新築マンションとも毎月払うものですが、修繕積立基金は新築マンション購入時のみ発生します。マンションは住宅の安全や快適性を保つためにも、10年~15年ごとに大規模改修をすることが多く、その費用として修繕積立金が使われるのですが、それだけでは足りない場合があるのです。そのような修繕積立金ではカバーしきれない部分を賄うために修繕積立基金が設定されています。金額はマンションの規模やエリアなどによって異なりますが、20~40万円程度を払うケースが多くなっています。

なお、新築マンションと異なり、中古マンション購入時には修繕積立基金が発生しませんが、その分、修繕積立金は割高になる傾向があるでしょう。戸建ての場合は、特に支払う必要はありません。しかし、長く住んでいると老朽化などにより修繕が必要になる場合もあるので、リフォーム費用はいくらか貯蓄しておくほうが安心です。

不動産取得にかかる諸費用7.火災保険料

火災保険は住宅ローンを借り入れる際に加入が必須となっているケースが多いです。なお、地震、水災保険などは単独では入ることはできないので、火災保険の加入に伴い契約するようにしましょう。火災保険料は、一戸建てかマンションかによって異なるほか、一戸建てであれば木造住宅か、そうではないかによって変わります。また、補償内容をどれだけつけるのかや保険期間などによっても金額が大きく変わるでしょう。一戸建ての10年間の火災保険料の目安は10万円前後といわれています。

マンションを購入する人も、万が一の災害に備えて、火災保険に入っているケースが多いです。うっかり火災を起こしてしまう可能性も考え、事前に加入しておくのがおすすめといえます。

不動産取得にかかる諸費用8.仲介手数料

仲介手数料とは、売主と買主を仲介する不動産会社に対して支払うものです。不動産会社は、買主に対して物件の紹介や契約時書類作成、物件がある地域の法令や権利を確認するなどの仲介活動をしてくれます。その活動に対する費用として支払うのが仲介手数料なのです。仲介手数料は売買契約が成立した時点で半分を支払い、残りは引き渡し時に支払うケースが多いでしょう。売買契約であれば、宅地建物取引業法によって算出方法や上限額が決められています。たとえば、物件価格が400万円を超える際の上限額は、「物件価格×3%+6万円」で算出される仕組みです。

この計算による結果は上限なので、同じような物件価格でも不動産会社によって仲介手数料は異なります。下限の決まりは特にないので、ほかの不動産会社との差別化のために値引きしたり、無料にしたりしているところもあるようです。

不動産取得の仲介手数料を安くするには?注意点も紹介

まずは、勤めている会社の福利厚生で、提携している不動産会社がないか調べてみましょう。提携している会社があれば、普段の付き合いがあるとの理由で安くしてくれる可能性もあります。また、仲介手数料が安くなる優待クーポンがあれば入手して利用するのもおすすめです。ほかにも、紹介者には報酬が、新規契約者には割引特典が受けられる不動産会社もあるので探してみると良いでしょう。不動産会社の中には、仲介手数料を半額や無料にすると謳って契約者を増やそうとしているところもあります。

そのような不動産会社を利用するのが簡単でおすすめですが、仲介手数料以外で割高な料金をとるところもあるので、しっかりと見極めなくてはいけません。なお、仲介手数料を値切る行為はサービスの質を低下させることにつながりかねないので避けましょう。

不動産は大きな買い物!仲介手数料などを見直して費用を抑えよう

不動産の取得には多大な費用が必要になります。この記事を参考に正確な取得費用を把握し、仲介手数料など費用を節約できる部分は節約することをおすすめします。なお、できる限り仲介手数料を安く済ませたいと考えている人は、売買物件の仲介手数料が無料となるゼロワンハウスを利用して取得費用を節約すると良いでしょう。

【この記事の監修】
森元 将士 1983年生まれ 宅地建物取引士

日本大学卒業後、テレビ制作・コーディネーターの職を経て大手不動産会社へ入社。 幅広い不動産売買業務全般に携わる。 購入者が損をしない不動産選びを支援したいという想いから、2014年に不動産売買仲介サイト「01HOUSE」を立ち上げ、現在まで300件以上の不動産取引を経験。疑問と不安を解決し、不動産購入の後押しとなる情報を発信している。

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