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宅建業法が定める仲介手数料とは?仲介手数料が安い不動産会社をチェック

03-20-2020

不動産の仲介手数料は「購入する際は購入価格の3%+6万円」、「賃貸契約の場合は1カ月分の家賃が相場」となっています。しかし、どういった基準で決まっているのでしょうか。そこで、「本当にそれだけの費用を支払わなければいけないのか」という点について、不動産仲介料の価格設定の意味も含めて解説します。この記事を読むことで宅建業法が定める取り決めについて理解し、仲介手数料を安く抑える方法が分かることでしょう。

宅建業法が定める仲介手数料とは?

実は不動産仲介手数料は、法律に基づいて決められています。根拠となるのは宅建業法という法律で、不動産を取り扱うさまざまな問題を解決するために制定されました。まずは、宅建業法が定める仲介手数料についての理解を深めておきましょう。

宅建業法

不動産を営利目的で取り扱うときにかかわってくる、宅建業法は実際には正式名称ではありません。正式名称は「宅地建物取扱業法」です。宅地と建物を取引するためのルールが記載されている法律で、不動産を売買したり賃貸物件として仲介したりする際には順守しなければいけません。制定されたのは1952年で制定から60年以上が経過していますが、その時代に合わせて改正も行われているので、最新の条文を確認することが大切です。

不動産についての知識を十分に持ち合わせていない人のなかには、「宅地とは何を指すか」について厳密に理解できていない人もいるでしょう。宅地建物取扱業法が意味する宅地とは、「建物が建っている土地や、将来建物を建設することが予想される土地」です。つまり、建物の建設予定がない農地や山林などは宅地ではありません。また、公園や道路といった公共的な側面を持つ土地についても宅地に含まれることはないと覚えておきましょう。

一方、建物については、一般的な建物なら何でも該当するので、イメージしやすいはずです。たとえば、戸建て住宅やマンション、アパートはもちろん、倉庫も建物に該当します。人為的に何かの施設が建てられている場合は、宅建業法の取り扱いのルールを守らなければいけません。

なお、宅建業法が規制するのは「宅地と建物を業(営利目的)として取り扱う場合」のみです。営利目的かどうかの判断は、「利益を得る目的で何度も売買を繰り返す行為」かどうかになります。一般的な個人同士での取引は宅建業法の適用外になるケースも多いということは理解しておくとよいでしょう。

仲介手数料

不動産の購入、賃貸にかかる仲介手数料は「不動産会社が売主と買主、または大家さんと賃貸契約者の間に入って契約を円滑にするサービス」に対する対価として支払います。そのため、不動産会社が入らないで契約した場合にはかかることはありません。ただし、実際には不動産会社に仲介を依頼するケースが多いのには理由があります。それは、「不動産の契約にはトラブルが発生しやすいから」です。

仲介が行う業務は、物件の紹介や事務手続きだけではありません。売主と買主、大家さんと賃貸契約者の双方の意見が食い違う場合には、調整を行うことも含まれています。そうした問題を当事者同士で行うと、感情的になってしまいまとまらないケースが多いのです。また、仲介手数料は成功報酬制である点も重要です。つまり、契約が成立しなければ支払う必要がなく、その点も売主や大家が不動産会社に安心して依頼する理由にもなっています。

なお、仲介手数料を支払うタイミングは、売買契約の場合は「契約時または引き渡し時」のいずれかです。仲介手数料は成功報酬であるため、理論上は売買契約がまとまった段階で不動産会社に請求する権利が生じます。しかし、実際には引き渡し時にトラブルになってしまうこともあるので、現実的には引き渡しが無事に終わってから請求されるケースが多いです。一方、賃貸契約の場合も契約が成立した時点で不動産会社に請求する権利は生じますが、賃貸のケースでは敷金や礼金といった仲介手数料以外の初期費用も発生します。そうした費用を毎回支払うのは大変なので、実際には仲介手数料も含めて支払うケースが多いです。

不動産会社によっては自らが所有する不動産を高値で売却して利益を得ているところもありますが、仲介をメインにしているところもあります。仲介をメインに営業している不動産会社にとっての仲介手数料は売上の大部分を占めるものであり、簡単には値下げに応じてくれない可能性があります。

宅建業法が定める仲介手数料のルール

宅建業法が定める仲介手数料のルールとして重要なのは、「購入または賃貸の両方にそれぞれ上限が定められている」ということです。宅建業法に違反して高額な仲介手数料を請求すると、不動産会社は営業停止などの罰則を受けてしまいます。そのため、原則的には定められている上限内で請求してくるはずです。不動産の購入時にかかる手数料は、売主と買主の双方が仲介手数料を不動産会社に対して支払います。仲介手数料の上限は取引する不動産の価格によって異なり、400万円以上の場合は「購入価格の3%+6万円+消費税」で計算可能です。

一方、賃貸のケースも仲介手数料は契約者と大家さんの双方が支払うのが基本になります。契約者が支払う仲介手数料の上限は基本的に「家賃の0.5カ月分+消費税」です。それにもかかわらず、借主の側が家賃の1カ月分を支払っているケースが多いのにはカラクリがあります。実は、宅建業法では賃貸の仲介手数料は「契約者と大家の合意があれば、契約者のみが家賃の1カ月分を支払ってもよい」とされているのです。

ただし、大家側がすべて得をしているわけではありません。「仲介手数料」の上限は宅建業法で「借主と大家から合わせて家賃の1ヵ月分まで」と決まっていますが、物件をアピールするための「広告料」は規制の対象外だからです。不動産会社は利益を上げるために、「借主から仲介手数料を家賃の1カ月分もらう裏で、大家から広告料という名目で一般的に家賃の1~2カ月分程度を徴収している」のが実態です。

仲介手数料の高さを不満に思う理由は?

不動産の購入および賃貸における費用において、仲介手数料はかなりの割合を占めることがあります。そのため、「仲介手数料が高い」と不満を感じる人もいるでしょう。購入する場合に不満を抱く理由としては、「購入価格によっては仲介手数料だけで100万円以上になってしまう」「それほど高いと想定していなかった」というケースが挙げられます。前者は、単純に仲介手数料が高すぎるという不満であり、後者は予算設定の甘さが原因です。特に後者のケースでは、不動産の購入に慣れていないと予算の見積もりを「土地と建物の価格だけ」で行ってしまいがちです。そうした場合に、仲介手数料を含む諸費用が加味された金額を確認して驚くといったことがよくあります。

一方、不動産を借りる場合の不満点については、「仕組みが分かりにくい」「大家さんの分も支払うことに納得ができない」という人が多いです。不動産賃貸において仲介手数料は当たり前のようになっているため、いざ契約するときまで具体的な説明がないこともよくあります。また、基本的に宅建業法では「家賃の1カ月分+消費税」という仲介手数料の上限を借主と大家で折半することになっていますが、実際は借主が1カ月負担するケースがほとんどです。賃貸契約書に「仲介手数料は1カ月分」と書いてあって不満に思っても、今後のつきあいや契約のことを考えてそのままの条件を飲む人もいます。

不動産会社の仲介がないとどうなる?

仲介手数料が高いと感じて不満に思っても、実際には不動産会社の仲介がなければ満足な契約はなかなかできないでしょう。そこで、自力で物件を見つけて契約しようとしたときにおきる問題について紹介していきます。

契約まで手間がかかる

自力で不動産を見つけて契約しようとしても、「想像以上に手間がかかる」可能性は高いです。不動産会社には各地域の地主と絆を築いているケースも多いので、物件を探すときはその土地に密着して経営しているところを利用したほうが希望する物件を見つけやすいといえます。また、人によってそれぞれ物件を探すための条件は異なります。物件を探すノウハウを持っている、ヒアリング能力に長けた不動産会社に依頼するほうが、結果的に早く物件を見つけられるでしょう。

インターネット上にはたくさんの不動産サイトが乱立していますが、仮に自分で良い物件を見つけても大家さんや売主が内見に応じてくれる可能性はあまり高くありません。地域密着型の不動産会社が紹介してくれる人のほうが大家さんや売主の信頼性は高いため、まともに取り合ってくれない可能性がある点は注意しましょう。そのほかにも賃貸物件の場合、入居審査について大家が詳しくないため、自分で申し込んだ場合には断られる可能性もあります。通常、入居審査は不動産会社に依頼された別会社が行っているケースが多いため、大家が直接かかわっていないからです。

さらに、物件を購入するにあたって住宅ローンを借りる際は、不動産会社などが発行する「重要事項説明書」が必要ですが、自分で作成するのが難しいという問題もあります。重要事項説明書は資格を有する人でないと作成は難しいので、手間をかけたくない人は不動産会社に仲介を依頼したほうが無難です。

トラブルが発生しやすい

自力で不動産を探すということは、「これまで面識がまったくない人と自分で契約を交わす」ということです。特に不動産の取引では大きなお金が動くことが多く、信頼が不足することによるトラブルが発生しやすいです。たとえ、親子や昔ながらの友人のようによく知った間柄で、物件の状態をお互いが分かっていたつもりであっても、売買価格でもめることはよくあります。また、お互いに専門知識がないため、書類作成に戸惑ってしまうケースも珍しくありません。

さらに、物件の価値というのは固定資産税課税標準額や路線価などを参考にすることはできますが、市場価値とは異なります。物件の価値を自分で判断するのは周囲の取引事例などが分からない素人が判断することは難しく、契約してから後悔する可能性も高いです。トラブルが発生したときも、間に入って冷静に対話してくれる存在がいないため、大家さんや売主が個別に解決するしかありません。交渉不足のせいでトラブルが起きることはよくあります。不動産会社を経由しておけばトラブルが発生しても、大家さんや売主との間に立ってくれて、豊富な専門知識でスムーズに解決してくれることでしょう。

仲介手数料を節約する方法は?

仲介手数料は高額で不満を感じる人も多いですが、実際には不動産会社のサービスがないと自力で不動産を契約することは難しいでしょう。そこで、不動産会社のサービスを利用しつつ手数料を節約する方法について説明していきます。

仲介手数料を値引いてもらうよう交渉する

仲介手数料は宅建業法であくまでも「上限」が決まっているだけです。下限については記載されていないため、値引いてもらうことは法律上の問題はありません。ただし、購入する場合も借りる場合も、無理な値切り交渉はサービスの低下につながる恐れがあることは念頭においておきましょう。購入する場合は、特に大きく値切るのは避けて端数部分などの少額の値引き交渉にとどめておくことが大切です。なぜなら、サービスが低下してしまうと損害額が大きくなってしまう恐れがあるからです。値引き交渉のハードルが高いと感じる場合には無理に行わず、ほかの不動産会社で同じ物件が売りに出されていないかをチェックしてみるとよいでしょう。一番安い手数料の不動産会社を見つけて、そのまま購入するというのも選択肢のひとつです。

賃貸契約の場合は、「予算が少ないがなんとか契約できないか」というような理由をつけて、具体的な金額を提示して交渉するとよいです。不動産会社も契約が成立しない限りは、仲介手数料を受け取れないので、「他社にとられるぐらいなら」と考えて応じてくれるケースもあります。なお、値切り交渉時にはできるだけ低姿勢であるように心がけましょう。賃貸の場合は、後に大家さんとトラブルになったり、入居審査に通らなくなったりする可能性があるためです。また、年度末の繁忙期シーズンなどの賃貸契約が多い時期は、普通の手数料で契約してくれる人が優遇される可能性が高いので値切り交渉は避けたほうがよいでしょう。

仲介手数料が割引されるサービスを利用する

仲介会社によっては仲介手数料を割引するサービスを行って集客を図っているところがあります。お得な方法を調べて割引券を入手するなどしなければならないので時間はかかりますが、値引き交渉をするよりもハードルは低くなりがちです。勤務している会社によっては、つながりのある不動産会社の契約だと、会社の福利厚生によって仲介手数料の割引が適用されるケースもあります。

また、知人や友人が関係している不動産会社があれば、身内だということで特別に手数料を割引してくれることもあるので、積極的に頼ってみましょう。ただし、「他に良い物件が見つかったけど、断ると関係にヒビが入るかもしれない」などの理由で「契約しないといけない」というプレッシャーを感じる場合にはおすすめしません。そのほかにも、一部の不動産会社では株主優待で、仲介手数料割引サービスを行っています。株主になるのが難しい場合には、金券ショップなどで優待券を購入するのもひとつの方法です。

仲介手数料がもともと安い不動産会社を利用する

仲介手数料は法律上決まっている上限で見積もる会社が多いですが、もとから割安な会社もあります。そうした会社を利用すれば値引き交渉で神経をすり減らすことがなかったり、割引方法を吟味する手間がなかったりするのでおすすめです。実際に購入と賃貸の両方で手数料が安い、または無料の不動産会社はあります。また、キャッシュバックサービスや家賃にかかわらず、手数料が一定に設定されているなど、独自のサービスを行っている不動産会社もあるので調べてみるとよいでしょう。

不動産会社自身が売主であったり、大家さんになったりしている場合は、仲介手数料を多少割り引いても売却益や賃貸収入で利益が上がるほうが良いと考えているケースもあります。注意点は「手数料の割引が必ずしも相手の利益を損ねているわけではない」「ほかの諸費用やサービスでしわ寄せがきている可能性がある」の2点です。手数料の割引サービスを実施している会社のなかには、割引料金を込みで料金設定を行っているところもあります。その分、サービス面やほかの費用でまかなっていると考えるとよいでしょう。ただし、手数料無料をうたっている不動産会社のなかには、大家さん、または売主が仲介手数料を負担している「サンキュールーム」や「ゼロワンハウス」などのケースもあります。このケースでは、不動産を購入、または賃貸契約する側には問題はないので、積極的に利用を検討してみましょう。

宅建業法で定められているのは上限のみ!仲介手数料を節約しよう

不動産購入や賃貸契約をする際の仲介手数料は宅建業法で定められています。しかし、定められているのは上限のみなので、できるだけ仲介手数料が安くなる不動産会社を選ぶとよいでしょう。仲介手数料が無料であり、キャッシュバックも受けられるサンキュールームやゼロワンハウスを利用して初期費用を節約してみてはいかがでしょうか。

【この記事の監修】
大槻陽一 株式会社GKコンサルティング代表取締役

一部上場企業退職後、六本木のレストランにて接客スキルを学ぶ。その後、不動産会社・IT企業での勤務を得て 2013年8月、株式会社GKコンサルティングを設立。現在まで3,000件以上の不動産取引を経験。 取引慣習にブラックボックス的な要素が多く、一般のユーザーにとって不透明な不動産業界を変えるため、インターネットメディアを通じて有益な情報を届けている。

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