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「分かれ」ってどういう意味?知らないと損をする仲介手数料のカラクリ

01-24-2020

不動産の商談中に、「分かれ」という言葉を聞いたことはありませんか。「分かれ」とは、仲介手数料に関する不動産業界用語のひとつです。不動産業界には、ほかにも一般的にはあまり知られていない仲介手数料に関する用語がたくさんあります。ここでは、仲介手数料に関する業界用語を説明しながら、仲介手数料に関わる不動産取引の仕組みを説明します。

仲介手数料の配分を表す業界用語

不動産業界には、仲介手数料に関する専門用語があり、「分かれ」もそのひとつです。また、同じく仲介手数料に関する用語として、「片手」「両手」というものもあります。ここでいう「手」とは、人間の手ではなく、手数料の「手」という意味です。ここでは、「分かれ」「片手」「両手」のそれぞれの用語について解説していきましょう。

仲介手数料の「分かれ」

「分かれ」とは、不動産の売買に2社の不動産会社が関わっているとき、それぞれの不動産会社が依頼者を紹介しあって成約した場合における仲介手数料の配分をいいます。たとえば、不動産会社Aが売却依頼を受けたとしましょう。不動産会社Aは、売主を見つける必要があるため、自社以外に不動産会社Bにも紹介を行いました。そのときに、不動産会社Aが「分かれ」と表示していれば、不動産会社Aは売主もしくは貸主から、紹介を受けた不動産会社Bは買主もしくは借主からそれぞれ手数料をもらえることになります。

また、この場合、売主もしくは貸主の依頼によって仲介を行った不動産会社Aは「元付」、買主もしくは借主の依頼によって仲介を行った不動産会社Bは「客付」となります。

仲介手数料の「片手」

「片手」とは、売り主もしくは買い主のどちらか片方から手数料をもらうことです。たとえば、不動産会社A社が売主から売却依頼を受け、A社から紹介を受けた不動産会社B社が買主を見つけ売買契約を結んだとしましょう。このケースでは、不動産会社A社は「元付業者」となり売主片方から仲介手数料を、不動産会社B社は「客付業者」となり買主片方から手数料をもらうことになります。これが「片手」で、「分かれ」意味は同じです。

仲介手数料の「両手」

「両手」とは、不動産会社1社が売主と買主の両方から手数料を受け取るケースです。不動産会社Aのみが売主と買主の仲介を行った場合がこれに当たります。このケースでは、不動産会社Aが1社で元付と客付を行います。

不動産の「媒介」には3つの種類がある

不動産業界において「媒介」という言葉は、ほぼ「仲介」と同じ意味で使われます。しかし、不動産会社が売主もしくは貸主から依頼を受けている場合は、「媒介」というのが一般的です。そのため、不動産会社が依頼を受けて仲介業務を行う際に締結される契約は「媒介契約」と呼ばれているのです。媒介には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があります。ここでは、「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類の媒介契約について解説します。

一般媒介

「一般媒介」とは、売主の禁止事項や、不動産会社の義務が特に設けられていない媒介契約のことをいいます。特に制限がないので、売主はほかの複数の業者に対しても売却の依頼ができます。また、売主が自力で購入希望者を見つけた場合は、媒介契約に制限されることなく直接契約を結ぶことも可能です。なお、契約期限は無制限となっています。

専任媒介

「専任媒介」とは、「専任」とあるとおり、売主(貸主)が契約した1社にのみ売却を一任する媒介契約です。そのため、売主(貸主)は、複数の業者に依頼することはできません。ただし、売主(貸主)自身が自分で買主(借主)を探して、直接契約することは可能です。専任媒介の契約期間中、不動産会社は2週間に1回の頻度で、売主(貸主)へ業務処理状況の報告を行わなくてはいけません。また、契約締結から7営業日以内に不動産指定流通機構(レインズ)へ物件情報を登録する義務も生じます。なお、契約の有効期間は3カ月以内とされています。

専属専任媒介

「専属専任契約」とは、専任媒介よりも制限が厳しい契約形態です。売主(貸主)は契約した不動産会社以外に媒介を依頼できません。これは専任媒介と同じですが、売主(貸主)自身が自分で買主(借主)を探して直接契約することも不可とされているのです。不動産会社は、契約期間中1週間に1回以上の割合で売主(貸主)へ業務処理状況の報告をしなくてはいけません。また、契約締結から5営業日以内に不動産指定流通機構(レインズ)へ物件情報を登録する義務があります。契約期限は専任媒介と同じく3ヶ月です。

仲介手数料の相場とは

不動産の仲介手数料には上限があり、その額は国土交通大臣の定めによることが宅地建物取引業法に記載されています。よって、上限を超えなければ仲介手数料は不動産会社が自由に決められます。しかし、実際には上限額を提示する業者が多いため、「上限額=相場」と考える人もたくさんいます。仲介手数料の上限額は取引内容によって異なりますが、ここでは賃貸と売買の上限額について解説していきます。

賃貸の場合

賃貸の場合、貸主と借主の両方から受け取れる報酬の上限は、1ヶ月分の家賃+消費税と定められています。マンションやアパートなどに代表される居住用の建物なら、基本的には賃料0.5カ月分+消費税との定めがあります。しかし、それには「依頼者の承諾を得ている場合を除き」という但し書きがあります。また、あくまで原則としては仲介手数料は大家側と入居者側とが賃料0.5カ月分を折半することになっています。しかし、実際には賃貸契約書には仲介手数料についての記載があり、契約締結を持って承諾したとみなされるため、借主が全額負担することが慣例となっています。

売買の場合

売買の場合、仲介手数料の上限は物件価格の金額区分ごとの合計に消費税を加算した額と定められています。詳細な金額区分は以下のとおりです。
・200万円以下の部分:価格×5%
・200万円を超え400万円以下の部分:価格×4%
・400万円を超える部分:価格×3%
また、物件価格が400万円を超える場合には、手数料は「(物件価格×3%+6万円)+消費税」で計算されます。

仲介手数料を節約するには

可能であれば、仲介手数料はできるだけ低く抑えたいものです。では、どうすれば仲介手数料を節約できるのでしょうか。宅地建物取引業法で定められているのは、あくまで仲介手数料の上限額です。そのため、仲介手数料について交渉することは自由です。売主(貸主)と買主(借主)の両方から仲介手数料を得られる両手仲介の場合は、交渉次第で仲介手数料を下げられる場合もあるので、試してみてもよいでしょう。

しかし、仲介手数料の交渉にはデメリットもあります。仲介手数料が低くなるということは、そのまま不動産会社の利益が少なくなることを意味します。そのため、仲介手数料を低く抑えることには成功しても、そのせいで不動産業者からはあまり利益につながらない顧客だと判断されてしまう可能性があるのです。そうなると、優良物件があっても優先的に情報をもらえなかったり、優先して物件を紹介してもらえなくなったりするかもしれません。

そのため、費用を安く抑えたいのなら、仲介手数料よりも物件価格や家賃の値引き交渉をすることをおすすめします。物件価格や家賃を低く抑えることで、連動して仲介手数料も低くなります。そのほうが、結果的にお得だといえるでしょう。

買主や借主からは仲介手数料をとらない仲介業者が存在する!

仲介手数料は不動産会社の重要な利益ですが、不動産業者の中には仲介手数料をとらないスタイルの業者もあります。賃貸紹介を行うサンキュールーム(http://39room.com/)では、分かれ(片手)仲介であっても仲介手数料は一律3万9000円です。また、売買仲介を行うゼロワンハウス(http://zeroonehouse.com/)では、分かれ(片手)仲介であっても仲介手数料は物件価格の0.7%となっています。嬉しいキャッシュバックもありますから、一度チェックしてみてはどうでしょうか。

【この記事の監修】
大槻陽一 株式会社GKコンサルティング代表取締役

一部上場企業退職後、六本木のレストランにて接客スキルを学ぶ。その後、不動産会社・IT企業での勤務を得て 2013年8月、株式会社GKコンサルティングを設立。現在まで3,000件以上の不動産取引を経験。 取引慣習にブラックボックス的な要素が多く、一般のユーザーにとって不透明な不動産業界を変えるため、インターネットメディアを通じて有益な情報を届けている。

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